古いVHSデッキを熱湯で修理

年末年始に実家で30年ほど前に記録された記念のビデオ見ようと思い、久々に古いVHSデッキの電源を入れてカセット挿入→巻き戻し。。

と、ここで始端まで巻き戻らずに停止してしまう。

まあ暫く使っていなかった機械なのでそんなもんですね、ゴムベルト滑りか樹脂劣化で壊れたんだろう。

とりあえず持ち帰って修理試みます。

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物はSONYのWV-DR5、DV/VHSデッキですが

DVもカセット挿入口が故障して自動で開きません。

VHSは

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これ以上巻き戻し出来ません。。

表示管には何やらエラーコードが

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ググっても情報無く解らなかった。あと巻き戻し中の残量表示が不安定なのも気になったので、リールの回転センサーが異常なのかな?

とりあえず分解してVHSのメカ下ろします。

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まずリールのセンサー確認

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基板のここに左右リールの赤外線センサーがある。汚れてるかな?

って右側センサーにグリスっぽいのがベットリ付着してますやん!

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メカのリール見ると

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こっちもベットリ、リチュームグリスっぽいのが付着してる。とりあえず清掃しておきます。次にVHSメカのベルト類確認

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リールはキャプスタンモーターからベルトで駆動されてるので、受け側のプーリーにクラッチが付いててこれで負荷逃す構造ですね、巻き戻しで止まってしまう時にキャプスタンモーターはそれなりに回っていたのでベルトかクラッチのトラブルと思います。

で、ベルトはまあまあ張りがあり、クラッチが緩い気がするので更に分解。

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プーリーを2枚のフエルトで両方から挟んでスプリングで押さえ付ける構造、更に別のスプリングと真鍮軸でワンウェイを構成し、ある回転方向では両方のフエルトがクラッチになり逆回転では片方のクラッチは滑るよう設計されてるっぽい。

とりあえずフエルトは剥がれていないけど、少しサラサラオイリーな感じがするのでパークリで洗浄しました。で組んだけどほぼ変化無しでした。。

いや、このクラッチって再生時の逃しとリール方向制御用だな、どう考えても滑りが緩すぎる。

で、また分解してメカをよく見ると

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さっきのプーリーからダイレクトにこちらに繋がってて、この白ギアは再生時は遊んでいて、FF/REWで下の黒ギアとドグミッションのようにサーボで接続される経路がある。

この黒ギアはそのまま1段ギア経由でリールに繋がるので、結局滑る原因としたらベルトという事になる。

やっぱりベルトか…とりあえず応急処置やってみるか…

という訳で鍋蓋にベルトと少量の水を入れてIHで2分ほど沸騰させました。

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耐久性は落ちるかもしれないけど、これでベルトは若干収縮します。

でもって再度ベルト付けると明らかに張りが強くなり、もう一度仮組みして巻き戻すと、

巻き戻しめちゃくちゃ速いw

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始端までキター!!

という訳で、残量表示もリニアになってばっちり直りました。

あとはきちんと組み立てて、

おっとDV扉が開かないのもついでに直しておく。

こちらは扉閉じた時の防音ゴムクッションが加水分解して張り付いていたのが原因で、モーターの力で開けれなかっただけで

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ゴムクッションの上に適当なシートを貼って組み上げて修理完了。

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さてもう寝よう。