ジャンクカセットデッキ「URD-101」修理
最近変なスイッチが入っており、また暇つぶしにハードオフを巡ってジャンクのカセットデッキを入手した。今回はDENONのミニコンポ専用の水平トレイタイプのダブルカセットデッキUDR-101で「EJECTしないジャンク」との事で¥550
このデッキはDOLBY B/C HX PRO搭載されているしカウンターやレベルメーターもあるようなので、まあ暇潰しに修理トライしてみるかと購入。
どうせベルト類がダメになってるだけと思うが、ちょっと厄介なのは電源、この子はAC100入力では無く専用のアンプから給電されるタイプ。
まあどうせDC12Vあたりと軽く見ていたけど、分解して調べたらAC14Vあたりを2系統入力する必要があるらしくちょっと厄介。
とりあえず内部チェックでベルト類確認するとトレイ用のベルトは特に問題無し、でもリール駆動用のベルトやリバースドラム駆動用のベルトは両デッキとも溶けていた。
キャプスタンプドラムは前回のONKYOのデッキと違って金属製で金かかってるみたいなので、ワウフラッターは少し期待できるかな?
とりあえずベルトは適当にストックしている物と交換したけど、ベルトの精度はイマイチなのであまり期待できそうに無い…
次に電解コンデンサーがアンプ部と
電源部の2つが液漏れしており
特にこの電源部のコンデンサーからの液漏れは基板にも浸透しているっぽいのでパターン痛めてるかも?、、いずれもストックしている部品と交換して基板はクリーニングしておいた。
再度一通り組み直し、とりあえず家にあったAC16V出力の特殊なACアダプターを使って給電すると電源入った。
しかし早速EJECTボタンを押してみると、全く反応が無い。。ダブルデッキどちらも無反応でトレイモーターが動かない。
カウンターなどのボタンは受け付けるし、カセットセンサーを指で押さえながらFF/REW押すと動作するので、どうもEJECTキーの配線が切れてるっぽい。
とりあえず回路図は海外版のD-250と言う型番で見つかり、これで回路パターンを追った結果
このマイコンのキー入力端子と基板の一部が断線してる…液漏れしてた電解コンデンサー付近のスルーホールがダメぽい。なので
ジャンパー線で接続して再度組み直し
これでEJECTボタンを押すと無事にトレイが開いてカセットが入るようになりました。
で、一通り動作させてみると何か色々と変…
1)PLAYボタンを押しても6秒ほど応答しない謎の時間待があり、その間は他の操作を全く受け付けないのでマイコンが何かのイベントを待ってるっぽい。その後は再生する。
2)RECスタンバイ操作しても音声メーターが触れず音声入力しない。
3)REC開始操作するとインジケーターはRECになってるものの実際には記録していないし消去もしていない。
なんだか面倒くさいなあ…
とりあえず回路図追って調べた結果、2と3は解決。いずれも基板のパターン切れでマイコンからの音声バス制御と記録バイアス制御が通っていなかったのでジャンパー線で修理。
電解コンデンサー液漏れによる障害か基板のスルーホールそのものが弱いのかわからないが、なんだかイマイチな回路の印象です。
PLAY押してもすぐに再生しないのは原因がわからず、ひょっとしてこのデッキってミニコンポの一部なのでリアジャックに他のユニットとの通信端子もあるし、相手の応答を待ってるような気もする。
まあとりあえず一通り動作するようになったので、一通りのクリーニングとアジマス調整だけ行なって音質チェックすると、なんかイマイチ。。
適当なACアダプターと精度の悪いベルトが原因と思うけど、微小ながら左チャンネルだけ少し60Hzの電源ノイズ乗ってるし、特にワウフラッターは両デッキA/B面共に悪くて気になるレベルで音楽聴くには向いてない。
ちなみに周波数特性はこんな感じ
ワウフラッターは両デッキ両面こんな感じ
0.15%〜0.21%
ちょとこれでは使い物にならないので、またバラしてキャプスタンプドラムのベルト当たり面磨きと
今回付けたベルトの歪みをルーターで削って補正
ついでにのリールのテイクアップ摩擦が強かったので
スプリング自由長を10mm→8mmに絞って
これで再度組み直して聴くとワウフラッターは気にならない程度まで改善した。
0.07%〜0.09%ほど
でもONKYOの樹脂キャプスタンプドラムのチビデッキの方が良い印象…
うーむ、折角インジケーターついてるんだけど、PLAY押して6秒待つのもアレだし電源ノイズ対策とか考えたら面倒なので、このデッキはこれで諦めます。
さて次行こう