ジャンクカセットデッキ「GX-W4500」修理
また暇潰しにジャンクカセットデッキを入手しました。
今度はA &DのGX-W4500、ダブルデッキ両方ともA面再生できないジャンクで、ネットで調べるとこの機種はパナソニックの量産メカを積んでるらしく、特定のギアが劣化破損するとの事、逆に考えればパナソニックの量産メカなら玉数も多いだろうしなんとかなりそう。とはいえジャンクの割に高くて¥5000、少し躊躇したけどまあオク落札でも送料入れたらほぼ同額以上になるだろうからと自分の都合の良いように解釈して購入です。
で早速分解
中はそこそこ綺麗、一応エア吹いて埃飛ばしておきます。
メカは見るからにチープでキャプスタンドラムは樹脂製、一応ドラム片方には金属プレート埋め込んでマス稼いでるみたいだけど…こりゃワウフラッター期待できないな…
メカ見ると
どちらのデッキも案の定ギアが割れてます。
外したギアは軟質の樹脂で多分加水分解しているのかフニャフニャで爪で山が取れるレベルに劣化しています。
とりあえず代用できそうなサーボのギアがあったので加工してみます。今回代用するのは三和サーボSX-112のサードギア
ギアのピッチは同じだけど1コマ多くて外径が気持ち大きいのが残念…
とりあえず内径広げてメカに干渉する内ギアを削ってワッシャーで位置決めして組んでみます。
どうも噛み合いがキツくてクリアランスが無い。
とりあえず両デッキとも同様に組んでカセット入れずにセンサー抑えながらPLAYすると一応動作します。ただしB面再生では本来完全にフリーになるべきですが、少し抵抗があるのでバックテンションに悪影響ありそう…
そしてテスト前に走行系を入念に清掃して
汚れは多いけど流石GXヘッド、全く摩耗は無さそうです。
組み上げて一度実験用のテープを入れて再生しましたが、どちらのデッキもA面はまだなんとか聴けるレベルながらB面は走行が引き摺ってダメです。
ダメ元でワウフラッター測ったら、右デッキのA面は0.18%
B面は0.27%
もう完全にバックテンションがダメです。
という訳で失敗。。
何か良い方法は無いかとメカ見ていると、裏面に同じ歯数のギアがある事が判明し
ここでピンと来てまたハードオフへ足を運び
パナソニックのデッキRS-D7 がジャンク¥500で同じメカだったので即購入、そして即分解
このデッキも同様にA面のギアは両方とも欠けていましたが、裏面のギアは大丈夫です。
で、裏面のギアだけ摘出してセンターに穴を開けて適当なボスを付けて
組み上げて再生テスト
今度はA面もB面も静かに再生し、ワウフラッターも両デッキA面もB面も約0.13%低度まで改善しました。が、やっぱり音楽再生すると音の揺らぎが気になるレベルで納得いきません。
まあ折角の機会なのでできる範囲で改善しておくか、、
まずキャプスタンのマス稼ぎ、キャプスタンプドラムの各寸法を測ってホムセンに足を運び、適当な建材ワッシャーを購入
これをエポキシでバランス取りながら接着します。これでB面側は裏表にステンレスワッシャーを付けて質量が8gから60gに
A面側はスペースの関係で鉄ワッシャー1枚追加で38gから58gになります。
次に余ってるパナのメカベースにこれらを組んでモーターで回し、ベルト当たり面の慣らして極力真円になるように加工してデッキに組み付け、両デッキ共に同様の加工を施していざワウフラッター再測定
結果両デッキとも0.06〜0.07%程まで改善できました。まあメーカーの公称定格値が0.08%なので、ワウフラッターはこれで良しとします。そして色々と動作確認すると、どうも左デッキのイレースが機能していないようで、無記録テープへの記録は問題無いですが上書き記録すると元の音が残っています。
イレースヘッドクリーニングしても改善されず、また分解して回路調べたらイレースヘッドへのバイアス出力が異常に低い、、負荷が無いって事はハーネス切れてる?
恐るおそるイレースヘッドのハーネスをテスターで測ったらオープン状態w
何度もメカ付け外ししたのでやっちまったか?
と思ってヘッドブロックまでバラしてみたが、ハーネスの導通は問題なし
という訳でコイルが切れている事が判明、でもコイルに傷付けるような扱いはしていないし外観は綺麗なので内部で切れてるっぽい
さすがにヘッド内部には手の入れようが無いし、まあ両方のデッキ使ってダブル記録なんて永久に使う事ないし、ひとまず清く諦めます。
という訳で再度組み上げてアジマス調整して、このデッキはこれで完成としました。
うーむ、でもまだ何か満足できていない感があるし、さて次は何しようか?