RGV250Γ VJ21A 予備エンジンO/H 〜散らかしたら片付けよう〜

ひとまず機関の組み立て完了。

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後はまた気が向いてからだな、今回はクランク両サイドシール交換に伴うクランク右ベアリング、各部ガスケット、サークリップ、あとヘッドナットは全て袋とじに変更。

シリンダー、ピストン、リング、ピストンピンやベアリング、あとビッグエンドベアリングなど主要なパーツは状態良かったので清掃して再使用。そういえば左リードバルブの上側が焼けて口開きが多いので今度交換しようと思う。

 

〜以下ここまでの作業振り返り〜

クランクには予めプライマリーギアを組んでおいた。ロックワッシャーも交換すべくモノタに注文したのだが、廃盤メールが来たので今回は再利用(ロックワッシャー再利用は強度的に問題あるのでお勧めしません)。尚サービスガイドではシリンダー組んでコンロッドに特殊工具挟んでクランク固定する方法が記されているが、特殊工具は持っていないし個人的にビッグエンドやコンロッドに負担がかかる方法は避けたい。クランク単体であれば右端のホイールにベルトレンチをかける事でナットの締め外しが可能。ちなみに自分が使ったのはカインズの¥500程度のベルトレンチ

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これ安いけどケブラーベルトで伸びないし、付け根もしっかりしているのでかなり有能。パーツクリーナーで脱脂すれば滑らないし、車のクランクプーリー固定など色々使える。

ケース合わせ面はしっかり脱脂、クランクは各部位置合わせ通りに乗せて、ベアリング3個のうち左と中央はエンジンオイルのCCIS Type02、右はギアオイルのエクスタースーパーデラックスを100均のスポイトで点滴

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今回ケースの液体ガスケットは純正指定の1215ではなく手持の1207Bを使った。このクランクケースではシールが冷却水に触れることは無いので過剰品質かもしれないけど、
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1207Bって黒色で視認性が良くて薄塗りでも塗り損ね判断しやすくて良い

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腰下閉じてクランクケースボルトを対角締めして腰下おしまい。

次に腰上、ピストン外すので片方のサークリップを細いラジペンでキズ付けない様に外し、ピンは圧入されていたのでホムセンの適当な材料で特殊工具作って抜いた

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ピストントップはキャブクリとペーパータオルと爪だけで清掃、スカートのコーティングは多少落ちているけど、全体的に状態は良い。折角なのでリングは交換しようかと思ったが、1st、2ndとも十分にテーパー残っているし自由合い口も良好なのでこのまま使う事にした

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ピンはワッシャー当たり面が爪で認識できる程度の段が出ているけど、異常は無いしベアリングもガタは無いので再利用。

シリンダーは写真ではなかなかピント合わずに状態伝えにくいのだが、排気ポートから覗くと右はこれ

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左はこれ
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まだまだクロスハッチ残っているし、メッキの剥がれや気になる傷も無かった。写真ではフラッシュの関係か縦傷目立つけど、爪でも認識出来ない程度なのでなんてことは無い。

このエンジンはクラッチ周りは何か手が入った痕跡があるけど、腰上、腰下は分解痕跡無い、16500kでこの状態なら思ったより耐久性ありそうに思う。シリンダースリーブはメッキなので、素人が下手に触ると痛めるだけ、なので手は加えず清掃だけする。さて1番めんどくさいのがヘッドガスケット剥がし、アルミシリンダーなので金属スクレーパーは使わず、キャブクリとカーボンスクレーパーで厚いガスケットを剥がし、残りは100均のコゲ取りスポンジと薄いペーパーウエスを使って剥がした。1シリンダーあたり20分ほどかかったかな。。
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両シリンダーとも上面排気ポート側スリーブとウォータージャケット間に僅かな打痕の様なキズがある。生産設備の都合と思うが、まあガスケットで埋まるし問題無さそう、
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ベースガスケットはアルミベースのガスケットなので、数分で綺麗になった。

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そういえば右のヘッド外すときに1箇所だけナットが錆び付いてスタッドボルトごと外れたので

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反対側をダブルナットにして外し、スタッドボルトはブラシで磨いて再利用。こうなるのは嫌なので、ヘッドナットは全て袋ナットに交換です。

あとは各部クリーニングして組み立て、ベースガスケットとヘッドガスケットは社外品が安く売られているけど、ここは純正部品出るので純正一択、特にベースガスケットは安い外品はほぼ紙系なので冷却水のシール能力と精度に疑問がある。精度が悪いとシリンダーの垂直角度やら厚みの差による圧縮比、ポートタイミングへの影響がありそうなので、、

あとインマニのプラスネジは評判通り外す時に難儀してインパクトドライバーの世話になったので、全てキャップボルトに交換した。そしてリードバルブは右バンクは綺麗だったけど、左バンクの上側だけが真っ黒で隙間が開いてた。
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このエンジンの配置上の弱点かな?燃焼吹き抜けを受けてる様に見える。。

分解清掃しても直らなかったので、カーボンが累積している訳ではなく、熱でFRPが徐々に変形したものと推測。まあこれは物さえあればいつでも交換できるのでまた今度だな。

そういえば今積んでるエンジンも同じ様になってるんだろうな、、今度見てみよう。