ジャンクカセットデッキ「X-7 Pro」修理
すっかり暑くなってバイクに乗るのも億劫な昨今、最近久々にオープンリールデッキをメンテして以来、磁気テープデッキの懐かしい音にまた虫が少し騒ぎだした。
昔カーステを処分する際に取り出して本棚の端に置き去りにしたままのカセットテープが1本だけある。
当時TDKのメタルテープが気に入って、このMA-XGばかり使っていた。まだ実家に数十本置き去りにしているはずだが、、
とりあえず久々に再生したいのだが、もう音響として再生できるカセットデッキは随分前に断捨離とばかりに捨ててしまったので、今家にあるカセットプレイヤーって…
ポケコン用のデータレコーダーしか無いw
うーん違う、これじゃ無い、こんなので再生したく無い。テープはDolby Cノイズリダクションで記録していたので、最低でもDolby C積んでるデッキで聴きたい。やっぱ音響機器は捨てずに置いとくべきだったと後悔。。
とりあえず音響用のデッキで再生したいのだが、どうせ「一時的に騒いでる虫」と自覚しているので金かける気はない。
で近所のリサイクルショップに行くと、オンキョーのミニコンポの端くれ的な小さいデッキ「X-7 Pro」があり、ジャンク品は半額セールとやらで¥1000の値札ながら税込¥500だったので躊躇なく連れて帰ってきた。
Dolby Cも搭載してるし、まあどうせジャンクと言っても経年劣化でベルト切れてる程度でしょ。
とりあえず電源入れてEJECTボタン押すとトレーは動く。でもいきなり再生したいテープ入れてテープにダメージ入ると嫌なので、とりあえずどうでも良いデータレコーダー用のテープを入れてPLAY押すと、ガラガラと少し音がしてすぐ止まる。
で分解して内部チェックするとテイクアップ側のリールがうまく巻き取らない。
とりあえず中は綺麗でピンチローラーにテープ痕も無いし
これほとんど使って無いね。しかしまあこんな小さなデッキによくまあ上手いこと電源トランス入れたものだ、でもヘッドに近いのがちょい気に入らないかな、いやそんな事はどうでも良い。テープ出してリール見ると。。ん?
なんかT側リールの爪が沈んだままになってる。
ちなみにサプライ側はスカスカでスムーズ
で、T側は指で引っ張ると出てきたが妙に固い。ひょっとして割れてる?
とりあえずEリングは無いので圧入らしい、少々力を入れて引っ張ると外れた。
で、よく見るも特にクラックは無く、でもやっぱりスライドすべき外軸が固い。摺動面にはシリコーンオイルが塗られているのか?いやテープに着くリスクあるしこんな所には塗らんよな、、多分中芯かスプリング下面から滲んできたものと思う。
とりあえずスライドが固い部分をペーパーで磨いてスムーズに動くようにして、組み付ける際はリールの裏から押さえる必要があるので一旦メカを外して、
って
なんか中で遊んでるし、配線固定してたテープらしいけど、干からびて単なる異物になってる。これだから貼りものは嫌いだ。
一方メカ裏は
なんとチープなキャプスタンドラム、こりゃワウフラッター悪いだろうな、というかなんだこのモータープーリーのゴミは…
とりあえず綿棒で取り除いて、ついでにベルトやプーリー全てクリーニングしておいた。とりあえずベルトが無事みたいなのでラッキーでした。あとはリールを組んで、走行系全てクリーニングしてテストテープを再生。
はい、これで無事に直りました。
これで久々に懐かしいテープを再生できました。
が、アジマスズレてて音がこもってるし、自分のテープはアライメントテープでバシバシに調整したデッキで記録していたので、とりあえず今手元にアライメントテープは無いけど(実家にあるはず…)今ここにあるこのテープを神として調整します。
オートリバースなので両面再調整しました。いずれも締め込み方向で調整取れたので、やっぱりこの手のヘッドが回転するタイプのメカって接触部が削れるんだろうなあ。
という訳で無事に聴けるようになりました。
当然音楽って今時のハイレゾ環境で聴いた方がノイズも歪みもワウも全てにおいて音質は良いけど、やっぱり当時自分が聞いてた音楽って当時ながらの環境で聞いた方が色々思い出も浮かんで気分が良いですね。音楽の味ってのを感じ取れて楽しいです。
ちなみにこのデッキ、チープな機構の割に思ったより音良い気がしたので、自己録再周波数特性測ってみると、ノーマルテープにノイズリダクションOFFで
ちょい高域強調気味ですがまあまあ良いです。
そしてワウフラッターは
0.07%あたりなので、まあこのメカの割には良い方かと。
でも何というか、このデッキってカウンターもメーターも無いのがちょっと残念。。
また何か面白いもの探しに行こう。
やばい、また我が虫が騒いでるw