ジャンクカセットデッキ「TD-V631」修理
何か面白そうなものが無いかと立ち寄ったハードオフのジャンクコーナー、よく見ると棚の奥に見覚えのあるビクターのTD-V631が縦置きされて助けを求めていた。
これ自分が10年以上前に処分した同型機じゃないか!「FF/REW動作しないジャンク」との事だが¥7700tなのでちょっと高い印象…自分が使ってたデッキは症状出なかったけど、ネット調べるとリールモーターのピニオンギアが劣化破損するのが定番らしい。まあ汚いけど致命的なキズは無く直せそうな気がする。
あの時なぜ処分したのか?と後悔しつつ懐かしさもあってつい衝動買い。
帰宅後状態確認
モーター音はするけどFF/REW動作しない、
メカの汚れは酷いがヘッドの摩耗は無さそう
とにかく埃だらけ
とりあえず外回りを清掃して早速分解
中はまだマシなのでハケとエアで清掃して
ベルトも気持ち伸び気味な感じ、とりあえずデッキを立てて底面からメカを外して
なんかデッキの底面からギアの破片らしき異物が出てきた
リールモーター見ると案の定ピニオンギアが破損していたので、ギアユニットを外して
破損しているギアは直せそうにないので
代用できそうなギアを探したところ双葉のサーボS3003のギアが外径もピッチも近くて使えそう
モーター軸は2 mmなので1.99 mmのドリルで軸穴を広げ、ギア外径はオリジナル7.40 mmに対し
0.19 mmオーバー程度なので
軽く山先を削って
ついでに不要な外ギアも削り落とし
ジャストサイズ
サーボのギアは多分デルリンなので強度や耐久性は心配無し
早速メカに組み込み、各部清掃して動作チェック
なんら問題なく静かにFF/REW動作できるようになりました。ただPLAYすると再生開始した瞬間にキャプスタンプの回転数がほんの少し落ちるようで音声に違和感がある。やはりベルトも劣化しているみたい…
ベルトの代品は無いので、とりあえずモーターの取り付け位置を張る方向にズラす戦法で
モーターマウントを60°ズラした位置にも小さな穴があるので
その小さな穴を1.5mmほど外側にオフセットした大穴に加工して
モーターにはネジ穴が6つあるのでモーターの角度はそのままでオフセット完了
あとはベルトも沸騰したお湯で30秒ほど熱入れて収縮させて
組み込んだら明らかに張りが増してPLAYでの回転落ちも無くなりました。
あとは基準テープ再生して速度やアジマス調整して
できる限りクリーニング施して
出来上がり
一通り動作確認して音質も問題無し。
ちなみにこのデッキのワウフラッターは0.25〜0.33 %程度で文句なし
周波数特性は、ノーマルカセット(UR60)&NR=OFF&HX PRO=ONでBIASはセンターよりちょい戻しあたりが好みなので
こんな感じでした。
当時の音楽を当時使っていたデッキで聴けるってのは思った以上に感慨深いものでした。
ここ最近のジャンクカセットデッキ遊びはこれでひと段落できそうです。